うみのいえは、衣食住・芸術・教育といった暮らしの要素を繋ぎ合わせ実践することをミッションとしています。
そして、その暮らしの過程で生まれる学びの過程を仲間や地域と共有します。
その学びで得られるものとは、生きるため力です。

  • 身近な資源を暮らしに生かす技術知識
  • 日常に芸術や遊びを取り込んで楽しむ
  • 自らを理解生き方を決めていく力
  • 仲間や地域と物事を進める

うみのいえでは、これらの力を高めるための共同生活プログラム(うみプログラム)を、継続的に実施していきたいと思います。
今回は、そのプログラムを洗練させるため、8月頃から翌年3月まで実験的なプログラムに参加いただけるモニターを募集します。
(うみのいえの考え方日々の様子もリンクからぜひご覧ください。)

プログラムの概要

うみプログラムは、うみのいえのホストファミリー(現在:米村家)やその他の滞在者と共同生活を営むことを基本とします。
その中で、暮らしにまつわる多くの知識や技術を学び、またホストファミリーや他の滞在者との交流・対話を通じて多様な気づきを得ることを目的としています。

実践すること

うみのいえでは、これまでに以下のようなことを実践してきました。

  • 衣:麻の栽培・繊維化の実験
  • 食:畑の整備、野菜の栽培、山菜や果物の採集・保存・調理
  • 住:土壁づくり、床づくり、鶏小屋づくり、その他古民家改修
  • エネルギー:薪づくり、囲炉裏や五右衛門風呂の活用
  • 芸術:芸術家の滞在制作の支援・公演運営、芸術鑑賞、日々の自由な創作や演奏
  • 交流:同居人どうしの密な対話、物事を進める際の計画作りや議論など
  • その他:山の整備や自然の観察、各地の視察旅行など

これらは、地域の皆さんの協力も得ながら、必要に応じて職人や達人の仕事ぶりを見学したり、教えを乞うたりと、楽しさと喜びを感じながら実践してきたものです。

また、今年は、田んぼの整備や米作り・炭焼き・鶏の飼育・石積み(擁壁づくり)など、取り組みの幅を常に広げていきたいと思います。

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時間の使い方

うみのいえでは、日常的な家事も含め、生きるための営み全てに意味と学びの機会があると考えています。
そのため、同居人の皆で暮らしのやること・やりたいこと(床掃除から鶏のお世話まで多様にあります)を考え分担し、協力し合いながら営みます。

また、日常的な家事だけでなく、畑づくりや古民家改修といった衣食住にまつわる取り組み、芸術家滞在・公演などの運営、また時にはうみのいえの活動方針の議論といった、うみのいえの主要な活動に参加していただきます。

平日の時間の流れは、

06-08時ごろ朝の”家事の時間”・朝食
08-12時ごろうみのいえの”活動の時間”
12-13時ごろ昼食と休憩
13-17時ごろ自由時間(アルバイト・オンライン受講・自主的な制作活動なども可能です)
17-20時ごろ夜の”家事の時間”・夕食
20-21時ごろ夜の振り返りと対話の時間
21-23時ごろ自由時間

といったイメージです(主要な活動や自由時間の順番・組み合わせなどは相談しながら柔軟に決めましょう)。
平日5日間、合計20時間/週ほどがうみのいえの主要活動時間と考えています。
また土日は、地域を散策をしたり旅行をしたり、映画鑑賞会を企画したり、その他自由に過ごすことができる予定です。

募集の要項とプロセス

期間  2023年8月-2024年3月(半年程度)
*具体的な入退居日は柔軟に対応しますので、面談時にご相談ください

募集人数  1名

応募条件  以下を応募の条件とします

  • 成人(2023年8月1日時点)の方
  • 普通自動車運転免許(オートマ限定も可)を所持されている方
  • 日常に困らない程度以上の日本語能力(読み書き・会話)がある方
  • 同居人や地域の人と積極的にコミュニケーションをとる意欲がある方
  • 心身ともに健康で学びに対する意欲のある方
  • 初歩的な家事(簡単な調理や掃除等の継続)の経験のある方
  • 保護者等の扶養下にある場合、保護者からの同意が受けられる方

プログラム費用と契約

  • 月額:3万円(税込)
    • 滞在部屋の賃貸料・食費・光熱費・ガソリン費その他基本的な生活費が含まれます。
    • 個々で使う雑貨(歯ブラシや化粧品等)・衣服類・外食・嗜好品・その他旅行や娯楽にかかる費用は個々の負担となります。その他判断が難しいものは随時相談のうえ、うみのいえが判断します。
    • 毎月の開始時に支払を行います。また、1ヶ月に満たない部分は日割計算します。
  • プログラムの試行に伴うモニター価格として設定しております。そのため、プログラムの改善のための議論や改善のプロセスにもご協力いただけると嬉しいです。
  • 一般社団法人うみのいえと入居者個人との間で滞在部屋の貸借契約を結びます。
    また、このプログラムは旅館業法上の営業ではありません。不特定多数の滞在を受け入れるものではなく、また、食事や寝具の用意等も滞在者と共同で行うものです。
  • 本プログラムは皆が一つ屋根の下で寝食を共にする共同生活であり、事前に想定できない理由で滞在が困難になることも考えられます。そのため、うみのいえや共同生活者のどちらかの申し立てで理由を問わず期間終了前にプログラムを終えることができるようにしています。

滞在設備・ルール・周辺環境など

  • 滞在部屋は約5畳の畳敷の個室です。小さな押し入れとタンス、机と椅子があります。個室に収まる範囲で私物の持ち込みも可能です。その他の生活設備はホストファミリーやその他滞在者との共有です。
  • 乗用車と軽トラを皆で融通しながら利用できます(任意保険適用済)。また、光回線(有線およびWi-Fi)その他一般的なデジタル環境は整っています。うみのいえの備品は随時貸し出します。
  • ホストファミリーや同居人全員が心地よく過ごせるよう、事前に共有するハウスルールを遵守していただきます。また、共同生活者には禁煙をお願いしています。
  • ホストファミリーの子どもが2人おり、また犬・鶏も飼育する予定です。人付き合いや自然の濃い地域のため、人や動物や虫が苦手でない方に向いているプログラムだと思います(が、次第に慣れることがほとんです)。
  • うみのいえのある福井県池田町は、福井県で最も小さな自治体で、深い自然が魅力の土地です(海はありません)。ぜひこちらから池田町のことを知ってみてください。
  • 徒歩10分圏内に生鮮や日用品が揃う店があり、日常的な買い物には不自由しません。車で20分ほど走ると隣町のコンビニに着きます。また、大きな病院や衣類店なども車で30分ほど走ると全て揃います。Amazonの翌日配送も対象地域です。

選考プロセス

  1. 応募フォームからエントリー
    1次選考を行い、通過者に個別にご連絡いたします
  2. ご面談(うみのいえでの対面もしくはオンライン)
    ご面談後2次選考を行い、通過者に個別にご連絡いたします
  3. 滞在体験
    面談を通過された方と、随時うみのいえでの滞在生活の体験を行います。
    2泊3日程度を考えておりますが、実際の日程は柔軟に対応いたします。
    うみのいえまでの交通費と滞在の実費(1泊あたり1,000円)をご負担いただきます。
  4. 決定のご連絡と諸般のお手続き
    • 滞在体験を経てうみのいえとご応募者の双方が納得の上で実際のプログラムご参加が決まります。
    • ご決定後、契約書等の事務的なやりとりを行います。また、ご参加前に住民票と緊急連絡先の提出をお願いします。
  5. プログラムの開始
    2023年8月から2024年3月ごろまでを想定しております(具体的な開始・終了日はご相談ください)。

募集期間

  • 2023年5月25日から7月15日まで
  • 募集期間中随時選考を進めますので、期間の終了を待たずに締め切る可能性が高いです。まずは、お早め・お気軽にご応募ください。

また、ご応募前にご質問等があればどのようなことでも以下のお問合せフォームからご連絡ください。

ホストファミリー:米村家のご紹介

米村家は、4人家族です。夫婦と男の子2人です。2年半前に、東京から池田町に移住してきました。その理由は、これからうみのいえでやっていきたいことと繋がっていますので、ぜひ、この考え方のページを読んでみてください。
夫の智裕は、このような経歴で、音楽や経営・投資に関連した仕事をしてきました。妻の真理は東京でマーケティングに関わる仕事をしていました。
今はそれらの仕事もリモートでこなしつつ、もっぱらうみのいえでの営みを通じて、木や土や水に触る毎日です。
2年間の池田町の暮らしを通じて、たくさんのことを学び、技術や知識を身につけ、考えを深めてきましたが、まだまだ満足していません。
その経験をこれからも多くの仲間と一緒に重ね、さらに深めていけることを楽しみにしています。

これまでの共同生活者の声

川上真理子さん

2022年4月から2023年7月(予定)まで共同生活。
大学院卒業後、千葉から池田町へ移住。
うみのいえの共同生活を主軸としながら、町内各所でバイトをする。

次の共同生活者へのメッセージ

2022年4月から約1年間、うみのいえで活動している川上真理子です。うみのいえ初代共同生活者です! 
うみのいえでは、自給自足や、昔ながらのやり方を大切にします。もちろん、全てを昔ながらの方法でやっていくのではく、部分的に現代的な生活も取り込んでいます。この「昔ながらの方法にこだわっている」というのがミソだと思っています。意識的かつ主体的に追及していかなければ、昔ながらの知恵や技術は得られません。断熱材の代わりは何を使えばいいんだろう?炭はどうやって作るんだろう?地域のじいちゃん、ばあちゃんに聞いたり、調べたりして、みんなで試行錯誤します。そして地域の人からは「え!?炭つくるって!?そんなことしとるんかぁ〜えらいのぅ〜」なんて言葉をよくかけられます笑
こうした言葉と出会うたびに、「昔ながらの方法」は意識的に続けていこうとしなければ、近いうちになくなってしまうものだということも強く自覚させられます。共同生活者が関わるうみのいえでの活動は、そういった社会意義のあることだと思っています。探求することが好きな方、昔ながらの知恵や技術がなくなってしまうことに危機感のある方、自給自足の暮らしに意義があると考える方…etcは、うみのいえでの暮らしが向いているかもしれません。
この1年間は、学び得たことがとても多かったです。うみのいえにいたからこそ、できた繋がりもあって豊かなものでした。また、うみのいえはとても柔軟です。その場その場で、目の前にあるものや人と向き合いながら、ものごとが進んでいきます。ひとまず思いや考えを伝え、どうしていくか考えるということが頻繁に行われている場です。もし何か疑問や不安があれば、遠慮なく伝えて大丈夫な場であるということをお伝えしておきたいです。
うみのいえは、まだ始まって間もないです。自分のやってみたいことや、考えたことをどんどん実践していけると思います。ぜひ、うみのいえの土台づくりを一緒に楽しみませんか!

小島美月さん


2022年11月から2023年6月(予定)まで共同生活。
シカゴ美術大学3年生。休学中に自分のルーツである日本に来る。ご縁があって、うみのいえと出会い共同生活を始める。

次の共同生活者へのメッセージ

2022年11月うみのいえに居そうろう始めました。その前も1回、2週間池田に来て泊まらせてもらった。最初何をやるかよくわからない、でもただ旅行に来たではない。とりあえず、池田の生活を経験したいと思っていました。
I enjoyed the two weeks that I stayed here more than I expected. I think one of the reasons is I experienced something that I would never experience in modern daily life, but it is essential for human living. At that time, the renovation was at the place of replacing the floor and the base, the gravel underneath the floor need to be replaced. We went to the mineral store to buy the crushed stones. I saw the traditional way of making soil walls. Things like that had so much meaning for me. For things like that, you don’t know when it will happen. For things like that you will only understand it after you did it.
To be honest, I am not a person who can live with someone easily. That is also something that I wanted to learn and try. It turns out nice that I can get energy from every one. At my age, I also want to know how should I interact with kids.
Mari, Mariko, and I take turns to make dinner. I like cooking but I haven’t made it for six people family. In the beginning, it frustrated me that I didn’t ’t know how much to make and it took me so long to make. It wasn’t easy, I might hate it because of the time consuming. However, when the time that I realized cooking is a part of the life and I enjoyed it. Also, the good thing is I can make things I want to eat. Also, because of my background, I want to share other different cultures food with them.
二重窓作ったり、雪囲い作ったり、ニワトリ小屋作ったり、、I got so much from these experiences, not about making things, but it is about I realized the essence of life. It is always good to question what you really need.
I don’t want to make the story like one of the jiburi stories. But, the living style is like one of them. Of course, it is not easy to homestay a place without a convenient store, without a bar you can go to release your stress. But, I also find things that are interesting to me, 山采取り、田んぼ手伝う、そば打ち….
The living concept of trying as much as possible to make things with my own hands might not be necessary for this modern life. However, it is a treasure to me to understand how we can live by our own hands.

<翻訳>
2022年11月にうみのいえでの滞在が始まりました。その前にも1回、2週間池田に来て泊めてもらったことがあります。 最初は何をやるべきかよくわからなかったが、ただ旅行に来たわけではない。とにかく、池田の生活を経験したいと思っていました。
ここで過ごした2週間は思った以上に楽しかったです。その理由の1つは、普段は経験できないけれど人間の生活に欠かせないことを体験できたからだと思います。その時、改装工事は床と土台を交換する段階で、床の下の砂利も取り替える必要がありました。鉱物店に行って砕石を買ったり、土壁を作る伝統的な方法を見たりしました。そういったことには多くの知識があります。そういったことはいつ起こるかわからないし、やってみた後でしか理解できないものです。
正直言って、私は他人と一緒に暮らすことができる人間ではありません。それも学びたいと思って挑戦してみました。結果として、皆からエネルギーをもらえることが分かりました。私の年齢では、子供たちとどのように関わるべきかも知りたかったのです。
マリ、真理子、私は交代で夕食を作ります。料理が好きだけど、6人家族のために作るのは初めてでした。最初はどれくらい作ればいいのかわからず、時間がかかってイライラしていました。簡単ではなく、時間がかかるため嫌いになるかもしれませんでした。しかし、料理が生活の一部であることに気付いたとき、楽しむことができました。それに、自分が食べたいものを作れるのが良いです。また、私のバックグラウンドから、彼らと異なる文化の食べ物を共有したいと思っています。
二重窓を作ったり、雪囲いを作ったり、鶏小屋を作ったり、、これらの経験から多くのことを学びました。物作りについてだけでなく、人生の本質に気付くことができました。何が本当に必要かを問いかけることはいつも良いことです。
ジブリ作品のような物語にしたくはありませんが、この生活スタイルはそれに似ています。もちろん、コンビニもなく、ストレス発散のために行けるバーもない場所でのホームステイは簡単ではありません。しかし、私にとって興味深いことも見つけることができました。山菜取り、田んぼ手伝い、そば打ちなどです。
現代の生活では、できるだけ自分の手で物を作るという生活コンセプトは必ずしも必要ではないかもしれません。しかし、私たちが自分の手でどのように生活できるかを理解することは、私にとって宝物です。